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防災体験館 体験レポート

3D場面別の地震体験や2階建て煙体験など、実践的な変わり種体験が特徴 レポート
東京都 目黒区防災センター 地震の学習館 (現 啓発コーナー) 訪問'12/7/27
地震の学習館 内部

駅からは徒歩15分程度と遠いですが、目黒郵便局のそばにあるのが「地震の学習館」。防災課や災害備蓄倉庫など、区の災害拠点となる目黒区防災センターの一角にある、併設型の防災体験館ですが、良い雰囲気と凝った体験メニューを楽しめます。

目黒区防災センター 地震の学習館の様々な防災体験コーナー

2013年4月より、当施設は目黒区内の団体利用限定で一部施設を利用できる「啓発コーナー」に変わりました。以下は2007年訪問当時のものです。

1 地震の学習館 外観 2 受付ロビーと1階の展示
地震の学習館 外観 1階受付と展示物
区の防災課や災害拠点がある目黒区防災センターの1階と地下1階が地震の学習館。 1階には、受付とロビー、また基礎知識を学ぶ「災害ドキュメント」のコーナーがあります。

3 エスカレーターで地下1階へ 4 ライフラインを学ぶ「都市と生活」
エスカレーター 都市と生活コーナー
災害ドキュメントのコーナーを過ぎ、エスカレーターで地下1階へ。エレベータもあります。 両側の壁と降りた先に、地下の電気・ガス・水道管の様子などを展示解説。

5 珍しい円形地震体験コーナー 6 ワイド画面で様々な地震体験可
地震体験コーナー ワイド画面での解説
2軸(前後上下)起震装置で、震度7までと、関東大震災・阪神淡路大震災を再現。 家の中・街中・高層ビルのオフィスでの地震対処法の解説と地震の揺れを体験可能。

7 初期消火体験コーナー 8 水消火器で放射するタイプ
初期消火体験コーナー 外観 初期消火体験コーナー 内部
様々な消火器の種類とその使い方、街頭消火器などの説明を聞いたら中へ入ります。 訓練用水消火器で画面に放射するタイプです。ストーブ火災や台所火災を消火します。

9 珍しいタイプの煙避難コーナー 10 外から中が見える作りです
煙避難コーナー ガラス越しに中が見える作り
全国でも珍しい2階建て煙体験室。階段もあり立体的な避難体験ができます。 一部に窓があり、煙の濃さがガラス越しに外から見える仕組みになっています。

11 サバイバルゲーム 屋内編 12 サバイバルゲーム 屋外編
サバイバルゲーム 屋内編 サバイバルゲーム 屋外編
地震体験と別の台所セットで、地震発生時の対応を、ゲーム形式で体験します。 屋外での地震発生時の対応を、クイズ形式で学べます。複数人で同時プレイも可能です。

13 クイズ問題は3択式 14 応急救護体験コーナー
サバイバルゲーム 屋内編画面 救護体験コーナー 訓練人形
答えは3択です。館内には、これとは別に、総合的な防災クイズコーナーがあります。 表示器(効果モニター)付きの全身人形で、心肺蘇生やAEDでの除細動を体験できます。

15 防災情報シティ 16 防災用品展示コーナー
防災情報シティ 全景 防災用品展示コーナー
奥に向かう一角には、防災Q&A端末や目黒区の防災対策、映像シアターなどがあります。 防災用品を展示していますが、ジャンルがバラバラに陳列され、見る側には少々不親切。

17 わたしたちのライフライン 18 助け合う防災シアター
わたしたちのライフライン 助け合う防災シアター 画面
パッと見、派手な展示ですが、「都市と生活」コーナーとの差いがよく伝わりません。 ここの映像シアターは、地震など災害自体でなく、ほぼ共助を扱った珍しいタイプです。

19 共助を扱った良作を上映します 20 ファンタビュー装置
助け合う防災シアター 画面 ファンタビュー装置
15人程度と小規模ですが、助け合って災害を乗り越える、共助だけを扱う稀な内容。 映像に合わせ、ジオラマが画面越しに奥から代わる代わる現れる、凝った表現の一作。




  

体験した印象

 独自性の高い内容で、地方の県立防災体験館を凌駕するレベルという第一印象でした。2階建て建物での煙避難体験、ほぼ共助のみを扱った助け合う防災シアター、シチュエーション毎の解説と揺れが連動する地震体験、ライフラインに関する展示等々、他館にはあまり類を見ないコンテンツ。また上質な館内の造り込みなど、楽しい中にも教育性を重視した雰囲気作りに意気込みを感じます。スタッフの解説レベルは標準的ですが、施設そのものの秀逸さで、かなり満足して帰る事ができるでしょう。施設の名前通り、ザッと見て帰るのでなく、半日ほどでじっくり体験学習してくるのがちょうど良いかもしれません。

 ただ、交通アクセスがあまり良くないのが注意点。幹線道路より住宅地に入った、生活道路に近い狭い道路沿いでわかりにくいうえ、駐車場も3台分しかありません。東急東横線の駅からも徒歩15分以上掛かるため、公共交通機関で行くなら、主要駅から目黒郵便局を目指してバスで行かれるのが実際的だと感じました。

 体験レビューとは異なりますが、ここは防災課と災害備蓄倉庫を備えた、区の災害支援拠点になる建物。ですが大規模地震の場合に、倒壊家屋の瓦礫や火災が心配な、狭い路地の住宅密集地に囲まれた立地条件のため、十分に機能を発揮できるか少々不安を覚えました。

 なお2013年4月より、目黒区内の町会や学校・事業所・団体などのグループ向けにに限定した「啓発コーナー」に変わりました。引き続き本ページで紹介した消火体験、煙体験体験、応急救護体験が利用できます。

  
  

目黒区防災センター 地震の学習館の施設情報

2013年4月より、目黒区内の団体利用限定で、一部施設を利用できる「啓発コーナー」に変わった為、お問い合せの際にはご注意下さい。

 
所在地: 目黒区中央町1-9-7 目黒区区防災センター内
URL: http://www.city.meguro.tokyo.jp/shisetsu/shisetsu/sonota/jigaku/
TEL: 03-5723-8517
開館時間: 9:00-16:00
入館料: 無料
休館日: 年末年始
交通アクセス: 東急バス黒2・黒7系統「目黒郵便局」下車徒歩約1分、渋71系統「中央町」下車徒歩約1分、東横線学芸大学前駅より徒歩約15分、祐天寺駅より徒歩約17分
駐車場: 普通車3台

映像シアター 消火体験 あり 土砂災害
119番体験 煙避難体験 あり 火山
地震体験 水害 応急手当 あり
津波 台風体験 耐震補強
ガイドツアー 定時開催(9:00,10:30、13:00、14:30から)、要事前予約