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防災体験館 体験レポート

2003年1月のリニューアルで、津波ドームシアターや家屋耐震化など内容豊富に レポート
静岡県地震防災センター 追補'06/08/28
静岡県地震防災センター 津波ドームシアター

今回は私の地元、静岡県にある「静岡県地震防災センター」は、2003年1月にリニューアルオープン。津波ドームシアターや、まるごと家一軒分の実大耐震施工例が新たに加わるなど、より体感的で実際的な展示にパワーアップしています。

静岡県地震防災センターの内部・体験内容

1 リニューアルしても同じ外観 2 ロビーで迎えるものは・・・
施設は見学体験フロアに加え、2つのホールと防災図書室・訓練室・会議室がある地上3階建て。被災者支援活動の拠点機能もあります。 吹き抜けのホールで大型情報モニターがお出迎え。団体ツアーはここで案内映像を見ます。次は写真右上の垂れ幕に続き・・・

3 津波の高さを実寸大展示 4 次は家の骨組みが立つ展示
安政東海地震での静岡県内各地の津波波高が、実寸大で展示されています。ちなみに2階から写真を撮っているのに、こんなに高い・・・ 小さな家一軒分、屋根から外壁・間仕切りまでの軸組(壁などの構造部)があって、中に何やらコーナーが・・・何でしょう?

5 家具固定・耐震補強コーナー 6 防災グッズ実例コーナー
耐震補強や家具固定の器具の実物を、見て触ってより現実的に把握できそうです。簡単な解説パンフレットがあったらなお良し。 防災グッズ紹介コーナーは、特に非常食の解説がなかなか詳しくなっています。1日3食の非常食例を実物で挙げ、カロリーまで表示。

7 消火体験コーナーは変更なし 8 ゲーム感覚で実際に放水
プールサイドのような部屋に大きなモニターがあり、水消火器や消火栓ホースが伸びています。好評のためかこれは従来と変わらず。 モニターの台所火災に、水消火器を放水。画面は当たり判定付きなので、うまく当てないと消火失敗も。消火栓バージョンもあり。

9 改良された地震体験コーナー 10 家具固定の使用前・使用後
従来の2次元から、3次元的な揺れを再現できるものに改良。揺れの最後に驚きの仕掛けが、行ってみてのお楽しみに。 以前の煙避難体験コーナー跡に、家具固定した時としない時の結末が再現。解説や注意など詳細な説明があると更にいいのですが。

11 改良版TSUNAMIドームシアター 12 立体ドーム映像は迫力ですが・・・
 立体ドーム映像は迫力ですが・・・
リニューアルの目玉、名前が少々アレですが、ドームが付いてパワーアップした津波体験コーナー。津波の基本的な解説が流れると・・・ 次いで、間延びする県内名所映像が延々流れ、突然こんな事に。でも、これは正しい津波の姿ではなく、間違った知識を与えてしまう。

13 1/50津波再現コーナー 14 ホールで防災アニメも見ました
映像が終わると、以前からあった、足元の長さ30m×幅10m×深さ1mの巨大水槽で、実際の1/50規模でジオラマ街並に津波再現。 団体ツアーで行くと、防災教育ムービーも見られます。子供向けアニメ・一般向け・自主防災向けなど動画は複数あります。




  

体験した印象

現在は、東日本大震災を受けて内容が変わっており、以下は訪問当時の評価です。

 目玉はやはり津波ドームシアターでしょう。眼前の球形スクリーン映像と、足元の津波再現が連動しているのはよく考えられています。でも映像は津波解説以上に、県下の風光明媚な風景が延々映し出され、かなり間延び感が否めません。少々ひねりが欲しいところです。例えば、折角の大型スクリーンとサウンドシステムなのだから、過去に実際あった津波映像や正しい対処と避難法など、体験型設備の利点を活かした、体感的かつ教育的価値あるコンテンツが見たいです。

 また、津波の怖さを心理的に訴えたい趣旨からと思いますが、映像に現れる津波は、津波ではなく、海外のサーフィンの有名地でよくある、気象・海象現象による大波でしかありません。津波は、遠目や第一波では高く見えなない事が多く、津波の姿を正確に反映していないこの映像は、見る人に間違った知識を与えかねないのではと心配です。防災には素人な映像製作会社は、インパクト重視で作りがちなので、発注者側がしっかりとした企画や指示を出し、成果物をきちんとチェックしていれば、こうはならなかったのでは?「津波=怖い」という心理を植え付けるのみが目的であれば、これでもいいのかもしれませんが、防災先進県静岡と称するのなら、もう少し内容の正確性にも踏み込んで欲しい内容です。

 でも、家具固定・耐震補強・防災用品コーナーなどは、一見地味ながらも実践的で、こういった部分が結構実用に繋がる大事な部分だけに好評価です。地味で堅苦しいイメージのある広報館・博物館から、華もありつつ、以前と比べてより確実に実際的・教訓的になった今回のリニューアルは、全体的には良かったのではないかと思います。


  
  

静岡県地震防災センターの施設情報

 
所在地: 静岡県静岡市駒形通5-9-1
URL: http://www.e-quakes.pref.shizuoka.jp/
TEL: 054-251-7100
開館時間: 9:00-16:00
入館料: 無料
休館日: 月曜・年末年始
交通アクセス: JR東海道本線・東海道新幹線静岡駅、静鉄新静岡駅より、静鉄バス西部循環(駒形回り)線「駒形5丁目」下車、徒歩2分
駐車場: 普通10台・大型4台

映像シアター あり 消火体験 あり 土砂災害
119番体験 煙避難体験 2003年廃止 火山
地震体験 あり 水害 応急手当
津波 あり 台風体験 耐震補強 あり
ガイドツアー 随時開催(受付へ申し出て下さい)